大手SSDメーカ回路設計担当者(事例)

大手SSDメーカ回路設計担当者

SSD用電源バックアップ回路に対するキャパシタの最適ソリューション・SSDモジュールの省スペース、高信頼を実現した方法とは

エンタープライズ向けSSD等ストレージのPLP用途に対する電源バックアップ回路の重要性が増しています

課題

データセンター/サーバー瞬停時のデータバックアップ機構を備えたSSDの要望拡大

近年、データセンター/サーバーは高速データ通信のバックエンドとして益々需要が拡大しており、取り扱うデータの、補償が課題となってきています。データセンター/サーバーの高速データ処理の中核を担うストレージとしてSSD(Solid State Drive)の採用が爆発的に伸長していますが、SSDでは瞬停の際、データが消失する恐れがあることから、PLP(パワーロスプロテクション:瞬停時のデータ補償)を行うバックアップ回路を備えたSSDの要望が拡大しています。また、データセンター/サーバーを構成する基板の小型、薄型化に伴い、データバックアップ回路を備えた小型、薄型で更なる高容量なSSDが求められています。

バックアップ回路を備えたSSDの小型、薄型化検討における課題

エンタープライズ向けSSDの回路設計者I氏は、電源バックアップ回路の設計にあたり、蓄電用途として使用するキャパシタが基板上で大きな占有面積を占めていることに悩んでいました。従来モデルでは、蓄電用途として電気二重層コンデンサ(EDLC)を用いていたケースもありましたが、オペレーション環境温度の上昇により、高温環境により適した積層セラミックキャパシタを用いて一旦は省スペース化に成功しました。しかしながら、次世代モデルではSSDの容量が増大し、電源バックアップ回路に必要なエネルギー量を実現しようとすると、1個あたりの静電容量が少ない積層セラミックキャパシタでは100個以上並べる必要があり、占有面積増大はもちろんのこと、実装点数の増大によるセット全体での信頼性低下という大きな課題に直面しました。

課題のポイント

  1. バックアップに必要なエネルギーに対する最適なキャパシタの選定
  2. 部品点数増大による信頼性低下への対処