CO2コンプレッサとは?

CO2ロータリー2段圧縮コンプレッサ

パナソニックでは、自然界に存在するCO2(二酸化炭素)を冷媒とする、地球環境に優しいCO2ロータリー2段圧縮コンプレッサを開発・商品化しています。

 
~2000年
世界初 CO2ロータリ2段圧縮コンプレッサを開発
2001年
CO2コンプレッサ(15F インバータ)を生産開始。(給湯器エコキュート用)
2004年
自販機・小型ショーケース用 CO2コンプレッサ(15F 定速)を生産開始。
CO2冷却ユニットを生産(自販機用)、アテネオリンピック選手村に設置されました。
2005年
自販機・小型ショーケース用 CO2コンプレッサ(15F インバータ)を生産開始。(国内自販機用)

CO2ロータリー2段圧縮コンプレッサの特長

自然冷媒CO2で特徴的なのは動作圧が高く差圧が大きいことです。HFC冷媒の約4~10倍あります。
そのため、圧縮機の開発にあたっては

  • 耐圧設計
  • 摺動部の信頼性
  • 高効率化
  • 軽量化

に留意する必要があります。

これらの課題を克服するため、CO2冷媒の圧縮を2回に分けて行い、シェルの内部を中間圧とし、これらの問題に有効に対応する世界初のCO2ロータリ2段圧縮機を開発しました。

 
《 高動作圧への対応 》
 内部中間圧構造 シェル設計圧 11MPa(高圧シェルの場合13MPa以上)
《 高差圧への対応 》
 2段圧縮機構
《 高効率化 》
 2段圧縮機構 圧縮機構寸法の最適化 高効率DCモータ搭載
《 小型・軽量化 》
 内部中間圧構造 シェル設計圧 11MPa(高圧シェルの場合13MPa以上)
《 低騒音・低振動 》
 2段圧縮機構
 

上図は、当社のロータリ2段圧縮機の構造と冷媒の流れを示しています。
低圧の吸入ガスは、下側の1段目の圧縮機構に導かれて中間圧まで圧縮され、シェルの中に吐出されます。一旦、シェルの外部の配管を経由して、上側の2段圧縮機構へ導入され、さらに圧縮され冷凍サイクルに吐出されます。

特長

  • 高動作圧対応: 内部中間圧構造によりシェル設計が容易
  • 高差圧対応: 2段圧縮により、差圧の分散や圧縮荷重の分散が可能
  • 高効率化: 2段圧縮による漏れの低減、圧縮機構寸法の最適化、高効率のDCブラシレスモータ搭載
  • 小型・軽量化: 内部中間圧構造によるシェルの薄肉化、小型集中巻モータ搭載
  • 騒音・振動対応: 圧縮機構が180度対向の2気筒構造のため、ツインロータリに近いトルクの平準化を実現
  • 給湯機の寒冷地への適性: 内部中間圧構造のため通常のロータリより高温吐出が可能。用途に応じた容積比(2段目/1段目の排除容積比)の選択で、冬場や給湯機の寒冷地への適性に優れる

ロータリー2段圧縮機構の冷蔵・冷凍サイクルへの応用

 

冷蔵・冷凍機器に、遷臨界CO2冷凍サイクルを適用すると、一般的に理論効率(COP)がHFCより小さくなるといわれています。これに対して、『内部熱交器』と『中間冷却器』の採用が効果的となります。

《 内部熱交換 》
エバポレータ出口配管とガスクーラ出口配管の熱交換により、冷却性能が向上します。

《 中間冷却 》
CO2を1段で圧縮すると、吐出温度がかなり高温となります。ロータリ2段圧縮機構では、中間冷却が可能となりますので、吐出温度の大幅な低減が可能となります。
このように、これまで不得意とされてきた冷蔵・冷凍分野にも、CO2ロータリ2段圧縮コンプレッサは有望なソルーションを提供することが可能となりました。

汎用CO2内蔵冷凍機

独自のCO2冷凍サイクル技術を応用し、汎用内蔵冷凍機を開発しました。

《 仕様 》
応用商品 L用(冷凍)、M用(冷蔵) 機器、ショーケース、他
定格出力 400/650/900W
定格電源 230V 50Hz
適用周囲温度 15 ~ 30℃
蒸発温度(L用) -35 ~ -20℃
蒸発温度(M用) -25 ~ -5℃
 
 

アプライアンス社