フィルタ回路において、高性能なインダクタとコンデンサが回路を大幅に小型化、性能と信頼性も向上

2017-09-13

LCフィルタ

技術情報

フィルタ回路において、高性能なインダクタとコンデンサが回路を大幅に小型化、性能と信頼性も向上


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インダクタとコンデンサには、様々な種類やグレードがあります。
従来の認識では、例えば定格と部品サイズの関係などは画一的で差別化が難しい印象がありましたが、高度な技術と優れた材料の開発により大きく性能が向上したインダクタやコンデンサが存在します。
そして、高性能なインダクタとコンデンサは、近年の世界的な要求事項に対する1つのキーアイテムになっています。

高性能なインダクタとコンデンサのメリットとは

高性能なインダクタとコンデンサを使うと大きなメリットがあります。具体的な性能や特長の説明に入る前に、まずは事例を示します。

事例:ECU電源回路

これは、自動車のECU用電源回路の一例です。図の電源回路はECUに限らず、DC/DCコンバータを使ったほぼ基本的な回路例です。カーバッテリからECUの内部回路に電源を供給する経路には、ノイズ除去やDC/DCコンバータの動作のためのLC回路が存在します。

ECU電源回路 image

入力のπ型フィルタは、従来の標準的構成であるフェライトタイプのパワーインダクタとアルミ電解コンデンサで構成されていました。それをパナソニックのメタルコンポジット(以下、MC)タイプのパワーインダクタと、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ(以下、ハイブリッドコンデンサ)で代替した例を示します。

入力フィルタ image

パワーインダクタは、フェライトタイプをMCタイプにしたことで、部品サイズを12×12mmから6×6mmに、面積比で1/4にすることができました。コンデンサに関しては、ø10mmのアルミ電解コンデンサを、ø6.3mmのハイブリッドコンデンサで置き換えできました。これによって、この入力フィルタが占有する基板面積は262mm2から83mm2になり、68%削減することができました。

これらの小型化は、MCタイプパワーインダクタとハイブリッドコンデンサの高い性能が寄与しています。MCタイプのパワーインダクタは、フェライトタイプに比べ体積に対する蓄積エネルギーが大きく、飽和(直流重畳)電流も大きいという特長があります。またフェライトタイプと比較し、小型サイズで同等の性能を得ることができます。この例では面積比1/4のもので置き換えができました。ハイブリッドコンデンサは、電解コンデンサとの比較において、サイズおよび静電容量に対するESRが非常に低く、許容可能なリプル電流も大きいことから、大幅に容量が小さくサイズも小さいもので代替できました。

メタルコンポジットパワーインダクタとは

メタルコンポジット(MC)タイプのパワーインダクタは、その材料や構造の違いからフェライトタイプに比べて優れた特性を持っています。 パナソニックのMCタイプのパワーインダクタは、独自の金属磁性材によるメタルコンポジットコアと一体成型構造により、同仕様のフェライトタイプに比べ最大で50%の小型化が可能で、飽和(直流重畳)電流が大きいのが特長です。また、交流抵抗(ACR)が低いので、高周波数動作での効率が向上します。加えて、耐熱性と耐振動性にも優れ、車載対応が可能な高い信頼性を確保しています。

img3

これらの特長から、面実装タイプのフェライト品からの代替はもちろん、ロッドコアやトロイダルコアタイプのスルーホール実装品を面実装化することができ、同時に大幅な小型化と低背化も実現できます。

導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサとは

アルミ電解コンデンサは、電解質に電解液を用いた一般的なコンデンサですが、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ(以下、ハイブリッドコンデンサ)は、電解質に導電性高分子と電解液を融合させたコンデンサです。
パナソニックのハイブリッドコンデンサは、導電性高分子と電解液の特長を兼ね備えており、使用環境条件が厳しい車載機器や、産業機器の小型化に対応します。

  1. (1) 最大1.5倍の大容量化
  2. (2) 大リプル電流化
  3. (3) 高信頼性

構造模式図

以下に、ハイブリッドコンデンサとアルミ電解コンデンサの、静電容量とリプル電流定格を同じとした場合の比較を示します。サイズと体積指数が示すように、大幅な小型化が可能です。

アルミ電解コンデンサ ハイブリッドコンデンサ メリット
同静電容量では?
100μF(35V)
の場合
サイズ:ø8×10.2mm
体積指数:100
サイズ:ø6.3×7.7mm
体積指数:47

・大容量性能により同容量での小形化が可能

同リプル電流では?
2800Arms(25V)の場合
※アルミ電解は2760mArms
サイズ:ø16×25mm
静電容量:2200μF
体積指数:100
サイズ:ø10×10.2mm
静電容量:470μF
体積指数:16

・大リプル電流性能により同等リプル電流での小形化が可能

・面実装化も可能

高性能なパワーインダクタとコンデンサとアプリケーション

パナソニックのMCタイプパワーインダクタとハイブリッドコンデンサによる小型化と、性能および信頼性向上の事例を確認し、各々の特長の概略を説明してきましたが、あらためて両者の特長を確認し、機器や回路に対するメリットと関連するアプリケーションをまとめます。

MCタイプパワーインダクタ(MC-PCC) 導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ
  • 小型(最大50%)
  • 飽和電流大(大電流化)
  • 高信頼性(耐熱性、耐振動性)
  • 小型(最大50%)
  • 静電容量大(最大1.5倍)
  • リプル電流大(最大1.4倍)
  • 高信頼性(耐湿性、低漏れ電流)
※インダクタはフェライトタイプインダクタとの比較。コンデンサはアルミ電解コンデンサとの比較。

すでに随所に記したように、これらは機器の小型化と、高信頼性が要求される使用環境条件の厳しい自動車、通信基地局、産業機器分野などでの使用に最適です。

小型化、大電流化、高信頼性を要求するアプリケーション例

  • 車載ECU(電動ポンプ系入力フィルタ、電動ファン入力フィルタ、エンジン直噴入力フィルタ/昇圧チョークコイル、ブレーキシステム入力フィルタ、EGR入力フィルタ、電動コンプレッサ入力フィルタ、EPS入力フィルタ、S&S昇降圧チョークコイル/入出力フィルタ、ボディ電動系入力フィルタなど)
  • モータ制御回路
  • DC/DCコンバータ
  • 電源回路

この記事に関する製品情報

LCフィルタシミュレーター

産業・車載用に適した当社のパワーインダクタとアルミ電解コンデンサでフィルタを構成した場合の減衰量特性がシミュレーションできるコンテンツです。産業・車載用フィルタの部品選定に是非ご活用ください。

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