産業用運搬車両メーカーA社 回路設計担当者(事例)

産業用運搬車両メーカーA社 回路設計担当者

迫りくるプロジェクトの期限・・・複合的な熱問題をワンストップで解決した方法とは

低炭素社会の実現に向けて、二次電池はモバイル機器や電気自動車での用途にとどまらず、幅広い分野へと広がりを見せています。

課題

充電時間短縮のため、二次電池を搭載した新製品を開発

産業用運搬車両メーカーA社は得意先から稼働率向上と小型化への要望が増えてきたため、新製品の開発に取り組むことになりました。S氏の所属する開発・設計部では、車両のバッテリーの充電期間短縮と小型化を実現するために、リチウムイオン電池を搭載した新製品を開発することになりました。バッテリーマネジメントシステム(BMS)の担当となったS氏はバッテリーの充電スピードをあげつつ、回路の変更に取り組みました。

発熱のメカニズムが解明できない・・・

開発を進めていくと一つの壁にぶつかりました。急速充電時の電流制御において、バッテリーの充電スピードを求めると熱が発生し、逆に熱を抑えると求める充電スピードが出せないのです。また、急速充電の熱問題がクリアになっていない状態で、他の回路でも過渡的に発生するホットスポットの発熱原因が特定できないなど、いくつかの熱対策を同時並行で進める必要が出てきました。S氏のチームは社内の別プロジェクトの開発担当に類似案件の話を聞いたり、熱対策部品を試してみたりと模索しますが、プロジェクトの期限は刻一刻と迫ってきました。

課題のポイント

  1. 充電スピードを上げつつ、発熱を抑える方法が見つからない
  2. あらゆる熱対策を同時並行で進めなければならない