無極性コンデンサ

無極性コンデンサ

定義

無極性コンデンサとは、端子に極性の区別がなく、どちらの向きにも接続して使えるコンデンサです。両極性コンデンサ、バイポーラコンデンサとも呼ばれます。
フィルムコンデンサやセラミックコンデンサは、極性を持たない構造のため無極性です。
また、アルミ電解コンデンサは通常の構造は極性を持ちますが、電極の構造を変えて無極性にしたタイプもあり、これを無極性電解コンデンサ(両極性電解コンデンサ)と呼びます。

解説

アルミ電解コンデンサに極性がある理由は、素子の構造が非対称だからです。
陽極のアルミ箔には、表面を粗くするエッチング処理と、誘電体となる酸化皮膜を作る化成処理を行います。これに対し陰極のアルミ箔にはエッチング処理のみで化成処理を行わないため、耐えられる電圧は0.5V程度しかありません。この様に非対称な構造によって極性が決まっており、逆向きに電圧を加えると陰極側が耐圧を超え、破損に至ります。
表面実装コンデンサの分類
図1 電解コンデンサの有極性タイプと無極性(両極性)タイプの素子構造の違い

無極性電解コンデンサは、両方の電極箔に陽極箔を用いることで非対称性をなくしています。両側に化成処理済みの箔を使うため構造が対称になり、どちらの向きに電圧が加わっても使用できます。ただし同じ静電容量を得るには箔の面積が余分に必要となり、有極性のものより体積が大きくなります。

無極性が必要になるのは、コンデンサに加わる電圧の向きが一定しない箇所です。交流が加わる回路、電源ON/OFF時の過渡状態で電圧の向きが反転しうる回路、スピーカのクロスオーバー回路のように交流を扱う回路などが該当します。
こうした箇所に有極性のコンデンサを使うと、逆方向の電圧が加わる事で特性が劣化し、破損の原因になります。設計時には、コンデンサに加わる電圧の向きが一定かどうかを確認します。

無極性が必要と判断したら、無極性であるフィルムコンデンサやセラミックコンデンサが候補になります。
フィルムコンデンサは耐電圧が高く損失が小さいため、高電圧の交流回路やノイズ対策に適しています。数十マイクロファラド以上の大きな静電容量が必要で、フィルムコンデンサやセラミックコンデンサでは製品サイズが現実的でない場合は、無極性電解コンデンサが選択肢に入ります。いずれの場合も、静電容量と加わる電圧を確認したうえで選定します。
容量・耐圧などの考え方は関連コラムで解説しています。

図2 極性の有無による選択の流れ
図2 極性の有無による選択の流れ

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