金系電極と高パラジウム銀電極の採用で高い信頼性を実現した耐硫化チップ抵抗器

2018-03-19

チップ抵抗器

技術情報

金系電極と高パラジウム銀電極の採用で高い信頼性を実現した耐硫化チップ抵抗器

 
 

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技術情報ではこれまで、高機能抵抗器として「電流検出チップ抵抗器」と「高精度チップ抵抗器」について紹介してきました。今回は、厳しい環境条件下で高い信頼性を提供する「耐硫化チップ抵抗器」を紹介します。

耐硫化チップ抵抗器とは

「耐硫化チップ抵抗器」とは、名称が示す通り「硫化」に対する耐性を高めたチップ抵抗器です。「硫化」とは、一般的には硫化水素など空気中に含まれる硫黄成分と化合することです。チップ抵抗器では、硫黄成分が保護膜と電極の間から進入し、電極材料の銀(Ag)が硫化して硫化銀(Ag2S)になり断線する可能性があります。以下に一例を示します。

したがって、硫黄成分が多い環境下では硫化対策が施されたチップ抵抗器を使用する必要があります。硫化対策としては、内部電極部分へ硫黄が入り込みにくい構造の採用、電極に硫化耐性がある金属を用いる方法などがあります。

耐硫化抵抗器の用途

耐硫化抵抗器は、硫黄成分が多い環境下で信頼性の維持、向上のために使用します。硫黄成分の多い場所として、火山や温泉場近く、自動車の排ガスが多い幹線道路沿い、切削油やゴム製品を使用している近辺が挙げられます。また、一般環境でも使用部材に硫黄成分が含まれている場合があります。例えば冷却ファンのフィルタやパッキン用、防振用のゴム製品、モールド樹脂なども注意が必要で、シリコン系のコーティング材などには硫化を促進するものもあります。

アプリケーションは、工作機械、産業機械、サーバ、基地局、照明、セキュリティ、産業用モータ、制御機器、自動車などで、外界への露出が多い用途、雰囲気中に硫黄成分が多い環境で使用される機器や設備などになります。

パナソニックの耐硫化チップ抵抗器の特徴

パナソニックの耐硫化チップ抵抗器は、上面電極材料を銀から硫化耐性の高い材料に変更したことで高い信頼性を実現しています。また、性能とコストのバランスから、「絶対性能」を追求したタイプと「延命効果」を高めたタイプの2シリーズを用意しています。

1)絶対性能を追求した「金系電極」

ERJSタイプは、上面電極材料に金系材料を使用したタイプです。金系材料が硫黄に対して安定で、非常に硫化耐性が高いことはよく知られていることです。

2) 延命効果を高めた「高パラジウム電極」

ERJUタイプは、硫化耐性を向上させるために銀とパラジウムの合金を上面電極に使用したタイプです。パラジウムとの合金化により銀の拡散が抑えられ硫化耐性が高まりますが、パラジウムの含有率を高くしてさらに耐性を高めた高パラジウム銀を使用しています。

これらの耐硫化チップ抵抗器と一般品に使用している電極材料の、硫黄成分を含むオイルへの浸漬試験結果を示します。

一般品の電極もパラジウム(Pd)を含有していますが、含有率が低いことから100時間程度で断線故障に至っています。それに対して高パラジウム銀電極のERJUタイプは、3,000時間においても断線は発生せず、明らかに信頼性が向上しています。パラジウムの含有率と断線時間には相関関係があり、ERJUシリーズはこの試験において12,000時間でも断線しない設計値が採用されています。金系電極を採用したERJSタイプは、3,000時間でも抵抗値の変動は発生せず、非常に高い信頼性を有していることを示しています。

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