LiDAR/Radarにおける活用例 [6in1センサ]

LiDAR/Radarとは

  • LiDAR (Light Detection and Ranging または Laser Imaging Detection and Ranging)
  • LiDARは、赤外レーザー光を照射し、その反射から周囲にいる人物や物体の距離や位置をセンシングするテクノロジーです。

    LiDARによる赤外レーザー光照射イメージ
    LiDARによる赤外レーザー光照射イメージ
    LiDARによる障害物検知イメージ
    LiDARによる障害物検知イメージ
  • Radar (RAdio Detection And Ranging)
  • Radarは、ミリ波やマイクロ波を照射し、LiDARと同様にその反射から周囲にいる人物や物体の距離や位置をセンシングします。

    Radarによるミリ波照射イメージ
    LRadarによるミリ波照射イメージ
    Radarによる障害物検知イメージ
    Radarによる障害物検知イメージ

LiDAR/Radarへの6in1センサの採用効果

効果① : コンポーネント取付誤差や傾斜の計測・補正を1チップで実現

通常、車両工場での組付けやディーラ出荷時など、LiDARやRadarのコンポーネントには、取り付け誤差が出てくるケースがあります。
そういった取り付け誤差を、工場やディーラーなどでキャリブレーションを行うことによって、LiDARやRadarの照射位置や3D map内での検知物体の位置精度に影響が出ないように調整する必要があります。
そのため、工場やディーラでは、停車環境にて、3軸加速度センサで傾き検知を行い、取り付け誤差を計測したり、走行→停車時には3軸ジャイロセンサのデータも用いて、LiDARやRadarコンポーネントの傾き計測します。
3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサ(角速度センサ)を1チップ化した、6軸コンボセンサである6in1センサであれば、この両方の機能の実現が可能です。

【ポイント】

  • 温度一定、完全停車状態では加速度センサにより0.2°の傾き検出が可能
  • 温度一定、且つ動きが幾らかある環境でもジャイロセンサ(角速度センサ)データも用いることで、0.1°の検出が可能

効果② : 検出物体・自車位置精度の向上と過酷環境下でも安定したセンシングを実現

LiDARのように、周辺環境のスキャン周期が長い周辺検知センサーの場合、前周期に検出された周辺環境の点群と現周期に検出された周辺環境の点群を照合する必要があります。
6軸センサから得られる車両の動きのデータを用いることで、前周期に検出された点群と現周期に検出された点群の照合における計算量を減らすことが可能になります。
また、走行時、 6in1センサは、坂路や路面のうねりを動的に検出でき、センサデータを元に、システムはレーザー照射位置補正や検知対象物のマップ上の位置補正を行うことができます。
さらに、トンネル内などで、GNSSが途切れた際にも、坂路検出や車の進行方向検出から、システムは高度や方位角の計算が可能となり、認識された空間内での自車位置を推定ができます。

【ポイント】

  • 8kHzの高速なデータアウトプットレートにより、システムは、スキャン周期の間の車両動作検出を可能にすることができ、検出対象物の位置認識や自車位置を継続的に補助することが可能
  • LiDAR/Radarのように、高温・高振動環境下に晒されやすいシステムでも、安定して検知データをシステムに送信可能

効果③ : 6軸検知と機能安全の両立を実現

LiDARやRadarは、安全における重要な役割を担っており、システムには機能安全(ISO26262)の準拠が求められることが多々あり、システムレベルでは、ASIL-Dを求められることが多く、LiDARやRadarに搭載される慣性センサなどのデバイスにも機能安全要求が始まっています。
パナソニックの6in1センサは、1チップMEMSの中に搭載されている3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサの計6軸全てに診断機能が搭載され、センサ1チップでASIL-B(D)に準拠しており、6in1センサを1つ実装すれば、6軸慣性センサと機能安全準拠を必要とするシステムにおいて、慣性センサを複数個実装しなくても、6軸検知と機能安全の両立が可能です。

【ポイント】

  • ASIL-B(D)と6軸検知を両立した6in1センサを実装することで、1チップで6軸検知と機能安全準拠の両立が可能。
    また、1チップでの機能安全準拠が可能であるため、複数個のセンサの実装が不要となり、従来よりもBOMコストの低減が可能。

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