アクティブサスペンションにおける活用例 [6in1センサ]

アクティブサスペンションとは、走行時に車両に生じる振動やコーナー時の車両の傾き、遠心力を慣性センサを用いて検知し、サスペンションを適切に制御して運転者の操縦安定性や乗員の快適性を高めるシステムです。
6軸1チップで軸間直交性に優れ、全ての軸に自己診断機能を搭載し、機能安全付で振動特性、温度特性の良いパナソニックの6in1センサをアクティブサスペンションに用いることで、必要センサ数の削減やモジュールの省スペース化が可能となり、さらに取付位置の自由度の向上に貢献できます。
構造図
構造図

アクティブサスペンション振動制御における6in1センサの活用ポイント

  • 小型1チップで6軸検知可能で、走行時に生じる車両の振動や傾きを1つのセンサで検知する事が出来る為、従来のシステムからの置換えによりセンサ数削減、省スペース化と取付位置の自由度を向上
  • 激しい振動や傾きが生じる環境においても適切なサスペンション制御が可能
  • 6軸全てに自己診断機能を搭載、機能安全ASIL-B(D)に準拠しグレード1(-40 ℃ ~ +125 ℃)の温度特性
活用ポイント説明図1
活用ポイント説明図2

アクティブサスペンションへの6in1センサの採用効果

効果① : 小型1チップで6軸検知出来る為、センサ数削減、省スペース化に貢献しシステムの中央制御が可能

従来のアクティブサスペンションは、各サスペンション付近に慣性センサを搭載し車両の振動や傾きを検出していました。パナソニックの6in1センサは、3軸加速度と3軸角速度検出MEMSを1チップで構成している為、従来のシステムで複数個必要であったセンサを1つのセンサで置換え可能になり、センサ数の削減やモジュールの省スペース化に貢献できると同時に、各軸の加速度・角速度の出力データを演算することにより、サスペンションから離れた箇所でも車両の振動や傾きを検知する事が出来る為、センサやモジュールの取付位置の自由度が向上します。また6軸の軸間直交性が良いことから、車体状態のより正確な検知に貢献できます。

【ポイント】

  • 小型1チップで6軸検知出来る為、センサ数の削減や省スペース化に貢献
  • サスペンションから離れた箇所でも車両の振動や傾きを検知する事ができ、取付位置の自由度が向上
6軸検知説明図1
6軸検知説明図2
6軸検知説明図1
6軸検知説明図2

効果② : 激しい振動や傾きが生じる環境においても、適切なサスペンション制御が可能

パナソニックの6in1センサは、二輪車や建機等の過酷な使用環境も想定し設計しており、図に示すような振動試験においても、広い周波数域の振動に対して良好な振動特性を有しており、仮に取得データ上でスパイクが現れたとしてもSM(Safety Mechanism)で異常信号かどうか識別可能である為、激しい振動や傾きが生じる環境においても正確な加速度・角速度検知が可能です。アクティブサスペンションに用いた場合も、舗装されてない路面からの激しい振動や急カーブコーナー時に激しい傾きが生じた際に適切なサスペンション制御が可能となり、乗員の快適性を保つ事が出来ます。

【ポイント】

  • 激しい振動や傾きが生じる環境においても正確な加速度・角速度検知が可能となり、適切なサスペンション制御が可能
振動試験条件
 ・振動周波数
: 0.5kHz⇒20kHz
 ・振幅
: 7G
 ・測定姿勢
: Z_+1G姿勢(外乱要因の回避のため、AccZのみX+1G姿勢
 ・フィルタ設定
: 60Hz
  • Gyro X-axis
  • Gyro Y-axis
  • Gyro Z-axis
  • Acc X-axis
  • Acc Y-axis
  • ※測定姿勢:X+1G
    Acc Z-axis

効果③ : 6軸全てに自己診断機能を搭載し、機能安全ASIL-B(D)に準拠。グレード1の温度特性

アクティブサスペンションはシステムとして機能安全ASIL-B or Cに準拠する事が通常求められております。パナソニックの6in1センサは、チップ内の6軸全てに自己診断機能を網羅しており、センサとしてはASIL-B(D)に準拠している為アクティブサスペンションシステムに対する機能安全要求も満たす事が可能です。さらに、6in1センサは信頼性試験AEC-Q100にも準拠しており、温度グレード1(-40 ℃ ~ +125 ℃)での使用が保証されているため、低温から高温環境下においても安定した加速度・角速度検知が可能です。

【ポイント】

  • 6軸全てに自己診断機能を搭載、機能安全ASIL-B(D)に準拠
  • グレード1(-40 ℃ ~ +125 ℃)の温度特性
グレード1の温度特性

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