環境車(xEV)駆動インバータ用フィルムコンデンサ

環境車(xEV)駆動インバータ用フィルムコンデンサ

各国のCO2削減などの環境規制強化による環境対応車(xEV) 市場の急拡大により、各自動車メーカーはxEVの車種拡大に取組んでいます。また車種展開にあたってはガソリン車からの置換えとなり、その重要部品となる駆動用インバータ用のDCリンクコンデンサには小形・高性能なフィルムコンデンサを強く要求されています。
パナソニックでは、これらの小型・高性能の要求に対して高精度蒸着技術で実現するとともに、ヒューズ構造をフィルムに施した安全性の高い製品で、ハイブリッド車の開発を初期から支え、業界トップクラスのシェアを保持しています。

自動車イメージ
駆動インバータ回路 アプリケーション例
駆動インバータ回路 アプリケーション例

商品の特長

  • 高安全性
  • 小型化
  • 高出力
  1. 高安全性 : 保安機構(ヒューズ)により高い安全性を確保(故障モードがオープン)

    独自の保安機構(高精度パターン蒸着)により、蒸着膜にヒューズ部を最適配置して故障モードをオープンに誘導することでショートモードによる発火発煙事故を防止し、車両の高安全化に貢献

    ヒューズ機能
    ヒューズ機能
    安全性限界 DCステップアップ試験

    保安性試験結果の例
    定格電圧(W.V.)から開始、10分毎に50V昇圧
    周囲温度110℃

    安全性限界 DCステップアップ試験
  2. フィルムキャパシタ ヒューズ機能の技術ご紹介 | Panasonic

    このビデオでは、パナソニックのフィルムコンデンサに採用されているヒューズ機能の技術をご紹介します。

  3. 小型化 : 高耐圧PPフィルム採用によるフィルムの薄膜化により小型化を追求

    フィルムメーカーと共同で高耐圧フィルムを開発し、フィルムの薄膜化を図ることにより商品の小型化を実現し、インバータの小型化・軽量化に貢献

    コンデンサ素子体積比率
  4. 高出力化 : 独自の蒸着応用技術による自己発熱低減(低ESR化)でインバータの高出力化に対応

    独自技術の高電流パターン蒸着(特許取得済み))と、高電流ヘビーエッジ工法によって、自己発熱低減(低ESR化)による許容電流アップを実現し、インバータの高出力化に貢献

    1)高電流パターン蒸着(特許取得済み)
    一般的に、蒸着膜にパターンを施すとESRが大きくなり、リプル電流による自己温度上昇が高くなります。 しかしながら、パナソニックではこのパターンを特殊形状にすることで、ESR値を最小限とし、自己温度上昇を低く抑えることに成功しました。
    リプル電流による自己温度上昇比較
    リプル電流による自己温度上昇比較
    2)高電流ヘビーエッジ工法
    蒸着膜とメタリコン(外部電極)とのコンタクト部分は、接続が不安定になりやすく、接触抵抗によるESRのばらつきが生じます。
    しかしながら、パナソニックではメタリコンとのコンタクト部分の蒸着膜の厚みを厚くする「ヘビーエッジ工法」により、接続の安定化を図り、ESRのばらつきを低減しました。
    またこれにより、パルス電流が印加された場合のコンタクト劣化(ESR増加)も低減することができました。
    素子構造
    素子構造
    パルス電流ステップアップ試験(イメージ)
    パルス電流ステップアップ試験(イメージ)

お客様への商品以外のお役立ち

  1. 高精度な設計シミュレーションによる迅速な商品開発

    20年の経験で蓄積したデータベースにより、電流による自己発熱やESL値を正確にシミュレーションできるため、お客様からのカスタム設計依頼から設計確定までを短期間で可能とし、車両の開発スピードアップに貢献

    例)電流による発熱のシュミレーション
    ・シミュレーション値 ⇒ 必要情報を入力して算出
    (必要情報: 構造、電流、ESR、温度等)
    ・実測値 ⇒ 色々な箇所に熱電対を取り付けて測定
    シミュレーション値と実測値(MAX)がほぼ一致
    矢印
    設計検討段階で特性を予見可能
    電流による発熱のシュミレーション
  2. 多拠点による設計・生産体制でグローバルサポートと安定納入を実現

    日本、中国、欧州でそれぞれ設計・生産体制を配置しており、お客様への迅速なサポートと安定納入に貢献

    ● 多拠点体制によるメリット
    1)お客様の近くで、かつ現地の言語で設計サポートできることで、スムーズな商品化が可能
    2)お客様の近くで生産することで、納入リードタイムの短縮が可能
    3)BCP(Business Continuity Plan)の観点から、万が一の場合でも他拠点から代替納入が可能
    4)全拠点が同一の自動化生産設備で生産しているため、受注数増加時には複数拠点から同一品質の製品を納入可能
    欧州:PIDEU-SK、中国:PEDJM、日本:富山拠点、松江拠点
    地域 欧州 中国 日本
    設計拠点 ドイツ リューネブルク 上海市 富山県砺波市
    生産拠点 スロバキア 江門市 富山県砺波市 島根県松江市
    生産拠点名称 パナソニック インダストリアルデバイス スロバキア(有)
    (PIDEU-SK)
    パナソニックエレクトロニックデバイス江門(有)
    (PEDJM)
    富山・松江工場
    (富山拠点)
    富山・松江工場
    (松江拠点)

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