コモンモードノイズフィルター基礎講座(3/5)

⑥ 主要フィルタ特性パラメータ

従来、コモンモードノイズフィルタの選定には、コモンモードインピーダンスの周波数特性が用いられていました。しかし現在では、高周波回路で用いられるS-parameter から導出されたMixed Mode S-parameter が用いられます。これは、入力のモード(コモンモード、ディファレンシャルモード)と出力・反射のモード(コモンモード、ディファレンシャルモード)で規定されており、入力モードで振る舞いの違うコモンモードノイズフィルタの特性を記述するパラメータとして最適なものです。


図6-1 に主要なフィルタ特性を示すパラメータを示します。


差動モード伝送の信号品質ロスの目安となるパラメータとして、差動(ディファレンシャル)モードの挿入損失(Sdd21)があります。またSdd21 の損失が3dB になる周波数をカットオフ周波数と定義しており、フィルタ選定の重要な指標となります。
また、ノイズ除去性能の目安となるコモンモード減衰量(Scc21)、また差動信号の一部がコモンモードに変換されるモード変換量(Scd21)があります。

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図6-2 に、コモンモードノイズフィルタの周波数特性例を示します。
Sdd21 は低損失、Scc21,Scd21 は広帯域、高減衰であるほど望ましいと言えます。


またこのような用途で使用する場合には、無線通信バンド帯域に入るノイズ発生を抑制するため、コモンモードノイズフィルタのノイズ減衰特性(周波数特性)がフィルタ選定の際に、重視されています。

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⑦ データ・ライブラリー

当社では、このようなフィルタ特性を示すパラメータとして、
・S-parameter
・Spice モデル
を提供しています。


S-parameter は実測されたものをベースに提供し、図7-1 に示した演算によりMixed Mode S-parameter に変換され、様々なパラメータの周波数特性を導出できます。


またSpice モデルは、等価回路モデルとして提供しております。


またこのような用途で使用する場合には、無線通信バンド帯域に入るノイズ発生を抑制するため、コモンモードフィルタのノイズ減衰特性(周波数特性)がフィルタ選定の際に、重視されています。


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