自動車の電子化・電動化が進み、多くの車にECUが搭載されています。ADASおよび自動運転には、高度な自動車制御をするECUが数多く必要になり、接続不良がない高性能で小形のパワーチョークコイルが求められています。
当社は、メタルコンポジット材を一度溶融させ細部まで充填する成形技術により、振動に強くクラックの発生を防ぎ、コイルのリード部を冗長設計にして接続信頼性を高めた4mm角サイズの車載用小形パワーインダクタを製品化しました。

車載用小形パワーインダクタ4mm角サイズ とは
車載用小形パワーインダクタ4mm角サイズ 3つの特長
*清浄度は、VDA19.1:技術的清浄度の検査/ISO16232:清浄度測定に関する規格 等に従って測定されます。
1. 磁性材料の密度の偏りを抑え、製品内部のクラック発生を防ぐ
独自の金属磁性材料において、磁性粉の絶縁および磁性材を封止するメタルコンポジット材を新たに開発。これにより小形化に伴う金属磁性材料の密度均一化を図り、製品内部のクラック発生を抑えたパワーチョークコイルを実現。
【小形化の課題】
(構造イメージ)

【課題の対策】
(メタルコンポジット材料イメージ)

2. 内部コイルと端子との接合部の冗長設計により、接続信頼性を向上
・リード部に複数個所の接続部を設ける冗長設計により、接続不良発生を抑制する構造。
・リード部は端子に“かしめ”構造での接合による接続部の信頼性向上。
【接続部冗長設計
(接続2箇所/各リード)

複数個所の接続部を設ける冗長設計により、
接続不良発生を抑制
接続部の かしめ→溶接 の流れ
※各リードにつき2カ所あり

端子による“かしめ”を行なうことで
溶接品質向上
3. 生産工程でのCO2排出量を従来比50%削減 (CO2排出量/個)
当製品は、従来よりも小型であることから、より微細な加工・組立が必要とされるため、従来同様の製造工程では電力量が増加するという課題がありました。そこで、加工方式を変更し、加工に必要な熱処理の工程を減らすことで、微細加工と高速処理を両立させ、製造工程における生産性を大幅に改善しました。これにより従来のモノづくりとの比較で、生産に伴うCO2排出量を50%削減しました(CO2排出量/個)。
4mmサイズ用
メタルコンポジット材 (イメージ図)

使用例
【ADAS/ADを支えるセンサー系アプリケーション】

回路例 上記アプリケーション 降圧DC-DCコンバータ回路

ラインアップ
製品品番 | 形状 [W×D×H] (mm) |
インダクタンス (*1) (µH) |
直流抵抗 [20℃] (mΩ) |
定格電流 (*2) (A) |
---|---|---|---|---|
ETQP2MR22PGR | 4.45 x 4.06 x 2.0 | 0.22 | 7.7 | 8.3 |
ETQP2M2R2PGR | 2.2 | 54 | 3.2 |
(*1):100kHzにて測定 (*2):温度上昇値が40℃となる電流値
今後、インダクタンスレンジの拡充を図り、市場ニーズに対応