環境意識、安全意識の高まりから、二輪車を含む自動車の電子化・電動化が進み、搭載されるECUの数が増加。また、エンジン等の発熱部近傍への搭載も増加しており、ロードダンプサージ保護用デバイスの耐熱性への要求が高まっています。
当社は、1968年に世界で初めて「ZnOバリスタ(酸化亜鉛バリスタ)」の開発実用化に成功。以来、長年培ってきたバリスタ技術を生かしロードダンプサージ対策用バリスタの耐熱性向上に努め、このほど、車載でより広範囲な使用用途に対応できる「ZNR®高エネルギーバリスタ」を製品化しました。
特長
- 独自構造により、たわみ強度と業界最高レベルの耐熱温度150°Cの両立を実現
- 優れた製品特性(耐ロードダンプサージ性能・制限電圧)で車載ECUをサージから保護
- 小型化と軽量化の実現で、省スペース化、環境負荷を低減
1. 独自構造により、たわみ強度と業界最高レベルの耐熱温度150℃の両立を実現
車載用途では、エンジン等の発熱部近傍へのECUの搭載数増加に伴い、より高耐熱なバリスタの要求が高まっています。しかし、従来のバリスタでは、樹脂モールド構造によって基板のたわみ応力に対しては強いものの、部品単体での温度変化による急激な熱応力に弱く、使用温度範囲を-40℃~125℃に制限する必要がありました。そこで当社は、各種高耐熱デバイスで蓄積した材料設計及び構造設計技術を応用し、温度変化による応力を大幅に低減し、業界最高レベルの使用温度範囲-55℃~150℃を実現しました(当社従来品:-40℃~125℃)。
外観/構造
新材料構成
シミュレーション結果
2. 優れた製品特性(耐ロードダンプサージ性能 制限電圧)で車載ECUをサージから保護
車載ロードダンプサージに関する国際規格ISO16750-2やJASO D 001-94 A種 A-1に対応する耐ロードダンプサージ性能を有し、業界最小※の制限電圧 35Vmax.の実現で、車載ECUのサージからの優れた保護性能を提供します。
※ZnOバリスタ製品において(2022年3月25日現在、当社調べ)
ISO16750-2 サージ性能 (P/N:ERZHF2M220F)
JASO A-1サージ性能 (P/N:ERZHF2M220F)
3. 小型化と軽量化の実現で、省スペース化、環境負荷を低減
本製品は、6.4mm(W) x 8.0mm(L) x 5.5mm(H)と小型で、同等性能のツェナーダイオードに比べ、実装面積、重量を1/2以下に抑えることができ、省スペース化、重量低減が図れ、環境負荷物質使用量の削減に寄与します。
アプリケーション
各種ECUへの使用例
抑制メカニズム
仕様
品番 | ERZHF2M220F |
---|---|
バリスタ電圧 | 20 ~ 23.2V |
最大許容回路電圧 | DC 16V |
短時間印加電圧 | DC 24V 5分間 |
制限電圧 | 35V max. |
耐ロードダンプサージ性能 | JASO A種 A-1 70 V, 1 回 |
ロードダンプサージエネルギー ISO16750-2 TEST A |
50J max. 10回 |