1.リフロー実装
- フィルムコンデンサは他のチップ部品に比較し実装時に注意が必要です。
- はんだ濡れ性及びチップ立ち(Tombstone)不具合が発生しないよう下記を参考にして確認をお願いします。
1-1.はんだ濡れ性
- ECHU(B)・ECWU(B)の場合、電極エッジ形状からはんだ濡れ性の課題が発生する場合があります。
- この場合この濡れ性を改善した新電極構造のECHU(X)・ECWU(X)を推奨いたします。(X品はリフロー専用です。)
- 下記(ボタン)に(B)と(X)の相違点及びはんだ濡れ性比較を添付しますのでご参照ください。
- B/X電極構造比較
- (X)品はんだ濡れ性試験
1-2.チップ立ち(Tombstone)
(1)チップ立ちメカニズム
- リフロー実装の場合、左右電極のクリームはんだの溶融タイミングが完全に一致しない場合があり、
- 左右電極のクリームはんだの溶融タイミングがずれた場合、下記のようなメカニズムでチップ立ちが発生するし易くなります。
(2)原因
- 原因は以下の2点です。
- 1.他部品に比較し重量が軽い
同形状のセラミックチップに比較し約1/2~1/3の重量 - 2.電極エッジが丸い
X品の場合右に示す通り電極コーナーエッジが丸い
B品の場合電極コーナーエッジに濡れ性のバラツキがある
- 1.他部品に比較し重量が軽い
- <X品電極形状>
(3)対策と発生時の確認項目
- リフロー実装で使用いただく場合にはX品をご使用ください。(フロー実装はB品で対応して下さい)
- チップ立ちは実装条件に大きく左右され、下記の項目が重要なポイントとなります。
- [1]ランド形状
- 1) ランドは極力推奨ランドを使用いただくようお願い致します。下記に推奨ランドを示します。
- 実装上の注意事項
- 2)チップ立ち不具合はランド形状に大きく左右され、特に下記図に示す電極より外側のランド寸法(D)が大きい場合、
はんだ量が増えることにより濡れ張力(→)が大きくなりチップ立ちし易くなります。
特に(D)寸法にはご注意ください。 当社推奨ランド形状はこれらを加味して設定してあります。 - 3)ランド形状が推奨ランドに変更できない場合、変更までに時間を要する場合は暫定対策として
クリームはんだを塗布する際のメタルマスクの開口を、推奨ランドに近い形状に狭くする方法でもチップ立ち不具合発生率は
大幅に改善されます。
- [2]左右電極の温度バランスについて
上記の通りチップ立ちの最大要因は、コンデンサ左右電極のクリームはんだの溶融タイミングズレです。
『コンデンサの片側電極付近に大型部品がある』、『コンデンサ片側ランドに収熱し易いパターンである。
あるいは部品がパターンで接続されている』等の場合左右ランドの温度上昇スピードが異なり、
温度バランスがくずれチップ立ちの原因となりますのでご注意願います。
- [3]クリームはんだ
- 厚み
近年のリフロー実装ではクリームはんだの厚みは0.1~0.15mmが一般的です。
(当社推奨: 0.1~0.15mm)クリームはんだ厚みが厚くなると、はんだ量が増えることによる濡れ張力の増加で
チップ立ちし易くなります。
- クリームはんだ種類
- クリームはんだの種類には以下の傾向があります。
- ・ 共晶はんだ(6:4はんだ)の場合融点が共晶点である183℃付近で急激に溶融します。
このように急激に溶融する(融点範囲の狭い)はんだの場合チップ立ちは発生し易い傾向にあります。 - ・ Ag入り等の融点範囲の広いクリームはんだは前記左右電極の温度差が多少あってもチップ立ちが発生し難いことを
確認しております。クリームはんだの変更が可能な場合は融点範囲の広いクリームはんだを検討してください。
- [4]実装温度(プロファイル)
- 温度プロファイルのチップ立ちへの影響は十分に確認できておりませんが、余熱が不足していたり
実装温度が低い(はんだ融点程度)の場合チップ立ちの発生要因となります。
製品仕様書に記載しております範囲内での使用をお願いいたします。
2.ECHU(B)・ECWU(B)シリーズを御使用の場合
- はんだ濡れ性・チップ立ちを改善した、電極形状を改善したECHU(X)・ ECWU(X)シリーズを用意しております。
- (ECHU(X)・ ECWU(X)シリーズで実装不具合が発生した場合は、お問い合わせください。)
- ※ ECHU(X)、ECWU(X)シリーズはリフロー専用です。また、ECPU(A)シリーズはECHU(X)、ECWU(X)シリーズと同様の電極構造となっております。
◆ 上記内容を確認いただき、不明点あるいは不具合が発生するようであればお問合わせ下さい。