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| ドライエッチングは、装置チャンバー内でプラズマ(放電)を発生させ、その内部で生成したイオンやラジカルを利用して処理物を加工するものです。ここで少しプラズマについて簡単に述べることにします。 「プラズマ・・・・・よく耳にするがよくわからない」 一般的に知られているプラズマ現象のひとつが雷ですが、雷は大気放電であり、一般的に使用されているドライエッチング用のプラズマとは放電形式に違いがあります。図-2に各種放電形式に対応するプラズマ励起法を示します。図-2において、低温プラズマを代表するグロー放電領域では、消費させる電流値はそれほど高くなく、かつ圧力は比較的低くなっています(10-2~数十Torr)。高周波グロー放電ではガス温度が300K~500K程度であるのに対し、 電子温度は10000K~100000Kとなっており、他の2領域とはプラズマ状態としてかなりの隔たりがあります1)。 一般的にドライエッチングでは、電気の周波数として、13.56MHzや2.54GHzが多く使用されています。ドライエッチングでは、目的に応じて多くのイオンやラジカルを生成させてある物 をエッチングすること、それも高速で行うことが重要です。 次に、図-3に示す蛍光灯のガラス管のようなものを真空チャンバーに見立ててドライエッチングの説明を進めていきます。ガラス管の両端に電極を配置し、中を真空(10-2Torr)状態にした場合、放電は何色に発光するでしょうか?(実際にガラス管で行ったことがないのでわからない面もあり) 答えは赤色です。 大気には窒素が70%程度含まれており、窒素の発光色はこの真空領域では赤く見えます。 この発光スペクトルは、エッチング技術では重要な役割を果たします。詳しくは後で述べます。 次に具体的なエッチングへと話を進めます。ガラス管にCF4ガス、電極部分の表面にSiO2(酸化膜)を貼り、13.56MHzの電圧を印加できたとします。圧力も放電領域内であるとして、SiO2はエッチングされるでしょうか?(図-4) 答えはYESです。 それではエッチングされつづけるでしょうか? 答えはNoです。 これはSiO2とCF4プラズマとの反応を考えてみるとわかります。 SiO2+CF3++ F*=SiF4↑+COX↑ この反応が起こり続けている間はSiO2はエッチングされ続けますが、CF4は次第になくなりエッチングがストップします。(反応生成物のSiF4↑+COX↑が時間とともに増加し、SiO2と反応するイオンやラジカルの生成を抑制してしまいます)。 それではどうすればエッチングされつづけるのでしょうか? 答えは常にCF4を導入する??(図-5) 正解と言いたいところですが、完全な正解ではありません。 ガスを供給しているだけではガラス管内の圧力が上昇し続け、放電限界圧力を超えてしまいます。 それではどうすればよいのでしょうか? 答えはガラス管の中に常にCF4を供給すると同時に、反応生成物を常に排気し、ガラス管の圧力を一定に保つようにするとよいのです。(図-6) これが正解であり、ドライエッチングの基本です。 つぎにエッチングされる物 について述べます。 エッチングされる物質として、最近は色々な膜がありますが、基本的に4つの膜に分類できます。 1.酸化膜系 (th-SiO2,PSG,BPSG,HTO,P-SiO2,P-TEOS,SOG等) 2.窒化膜系 (P-SiN,LP-SiN等) 3.シリコン系 (Si,Poly-Si,a-Si,WSi,MoSi,TiSi等) 4.メタル系 (Al,Al合金,TI,TiN,TiW, W ,Cu,Pt, Au等) これらの膜を先程より述べてきた真空容器の中でイオンやラジカルを利用してエッチングします。エッチングの形態としては、図-7に示すように2種類あります。 イオンが中心となる方法ではマスク(通常は有機レジストを使用)直下でアンダーカットは入りません。ラジカルが中心となる方法ではアンダーカットが入ります。これは、イオンとラジカルのプラズマ内での動きの違いによるものです。 次に各膜のエッチングについて少し詳しく述べます。 酸化膜:酸化膜を代表する膜としてBPSGがあります。このエッチングは一般的にソース、ドレーンのコンタクトホールエッチングです。各デバイスメーカーとも、様々な材質、膜厚またパターン寸法を採用し、それぞれノウハウを活かしたエッチングをしていますが、ここではエッチング形状と選択比に絞って話を進めます。 また少し問題をだします。 BPSG にテーパをつけてエッチングする方法は?(マスクはレジストとする) 答えとして3つほどの方法があります。 1つめは、レジストを後退させながらエッチングする方法です。これはBPSGのエッチングレートとレジストのエッチングレートをできるだけ同じにするか、レジストのレートを早くする方法です。(図-8) 2つめは、できるだけ低温でエッチングする方法です。これはエッチングガスとして下地シリコンおよびレジストとの選択比の高いガスを使用することでより効果がでます。(図-9) 3つめは、エッチング前のレジストをテーパにすることです。(こんなのが答えか?)正解は正解です。(図-10) それでは逆にパターンどおり微細にエッチングする方法は? 答えは上記3つの答えの逆のことをすればよいと言うことです。 過去コンタクトホール形状はある程度のテーパが必要といった時期があり、我々も色々な取り組みをしましたが、近年メタル配線の埋め込み技術が向上し、垂直形状のコンタクトホールが主流となってきています。 それでは次にコンタクトホールを下地シリコンとの選択比を くエッチングする方法は? 一般的にCF系のガスではCを多く含むガス、またはHを含むガスを使用することで選択比は向上します。最近ではCO、Arといったガスを添加しているメーカーも多くなってきています。これらはすべてシリコン表面にCF系、CHF系のポリマーを形成することにより、選択比を向上させるものです。 その他コンタクトホールのエッチングの課題として、コンタクト抵抗、コンタミネーション、基板ダメージの低減等があり、ライトエッチング(シリコン基板を少しエッチングする)を行う技術が有効です。 Poly-Si: Poly-Siおよびa-Siはゲート材料として一般的に使用されています。このゲート寸法はトランジスタ特性を左右するもので、エッチングの中では最も精度のいるエッチングです。Poly-SiはF系のガスで高速にエッチングできるのですが、アンダーカットが入りやすいため、Cl系、Br系のエッチングガスが使用されています。またゲート酸化膜の厚みも集積度が上がるごとに薄くなり、選択比を出すためにCl系、Br系のエッチングガスにO2を添加する場合が多くなっています。(図-11) AL合金: AL合金の膜として、エレクトロマイグレーション、ストレスマイグレーションを低減するため、ALにSiおよびCuを含有させることが多く、エッチングもこの含有量およびAL合金の熱処理温度等で困難さが変化します。 AL合金のエッチングの課題として、エッチング残渣とアフターコロージョンの2点があげられます。エッチング残渣に関しては、先程述べた添加物の量や処理方法によるところが多く、一言でかたずけることができませんが、AL合金では必ず自然酸化膜が存在するため、この除去を確実に行う必要があります。(図-12) 次にコロージョンについてまた問題を出します。 AL合金のエッチング後、コロージョンを出さない方法は? 今回に関しては答えは無数にあります。これは正確には無数の組み合わせがあると言った方がよいでしょう。エッチングガスをBCl3+Cl2として一般的に以下のような取り組み方があります。 1. エッチング後ウエハを加熱する。 2. エッチング後F系のガスプラズマにさらす。 3. エッチング後O2、またはH2Oを含むガスプラズマでレジストを除去する。 4. エッチング後ウエハをただちに水洗する。 5. ・・・・・ 私どもも上記の対策を色々組み合わせ行ってきましたが結論はまだ出していません。 これは余談になりますが、ある時期コロージョン対策を行っていて、ありとあらゆる方法で対策を打ったのですがいっこうに改善されず困っていたところ、方法を変更していないにも関わらずコロージョンが無くなったことがあります。対策を打ち初めて4、5ヶ月程度してからのことです。対策を打ち始めたのが梅雨時期で、コロージョンがでなくなったのが秋ぐちから冬にかけての時でした。後で結果を顧みるとクリーンルームの環境(湿度)等が影響していたのではと冗談ぬきで話すこともあります。 |
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| 装置の構成 |
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